伏見市長の所信表明に市議は…

まずは、市長の所信表明(要旨)をお読みください。誰かの引用や要約を読むと何かしらのバイアスに陥りますので、もし発信源から情報を入手できるなら、そこから取りましょう。今回は枚方つーしんに置いてある元データっぽいファイルをご覧ください。なぜか、枚方市役所の公式ホームページにはありません。

表明直後の市議の反応

いやー、議員のブログがひどい有様です。いえ、政策議論、施策議論以前の問題でした。ちょっと刺激的な内容ですが、ご容赦ください。

一部の市議さん、十年早い

議論をするためには、議論をする相手との最低限の共通認識がなければ成り立ちません。そのためには、日本語で意思疎通ができること、言葉の意味を正しく理解していることが前提です。その上で、自分と相手との見解の相違を見いだし、初めて議論ができる。筆者はそのように考えています。残念なことに、枚方市議会議員の中には、その最低限のことすらできない人がいます。

今回、市長が所信表明をした直後に、一部の市議がブログで反応しました。それらの内容を読む限りでは、枚方市議会には少なくとも、正しい言葉を使えない議員、専門用語の意味を理解していない議員、意味の通る文を書けない議員、段落を使えない議員、読解力のない議員、人の話を聞けない議員などが在任していることが判明しました。

このような状況では、議論は成立しません。たとえ、その人がどんなにもっともな意見を持っていたとしても、相手に正しく伝わらなければ、相手は理解してくれませんし、どんなに強い言葉で主張しても、理解は得られません。政策うんぬんの話は後回しにして、議員がブログに掲載した日本語の文章をチェックしていきます。

筆者は、政策議論の内容を追いかけたいと思ってサイトを立ち上げました。こんな、みっともない議員らにお付き合いするためにしたのではありません。はなはだ残念で、めんどくさいですが、枚方の政治を良くするには、ここからスタートです。

変わるとか、変わらないとか…

伏見市長は前市長を全否定していないので、筆者としても大きな変化があるようには思いません。ただ、それを良しと評価するか、悪しと評価するかによって違ってくると思います。でもまだ始まったばかりで何もしていませんから、現時点で変わる・変わらないの感想は時期尚早だと思います。施策が実行に移された段階で、歴代市長と比較して変わる・変わらないの評価ができるでしょう。

市長が所信を表明しただけなのに、何も変わらないとか、前市長と一緒だとか、各派代表質問の答弁で何も変わらないとか、前市長と一緒だとか、市議らは何を言っているんでしょうか。

↓代表質問と答弁へジャンプ

枚方市議は1000万プレイヤー

各議員の月額報酬をご覧ください。議員の個人名と報酬額が横に並んでいないと、実感が湧かないと思いますのでこのようにしました。

各議員の報酬額(2015年5月現在)
議員名役職報酬月額(円)[1]
大森議長720,000
野村副議長683,300
上野,西田,大塚,丹生常任委員会委員長646,700
福留議会運営委員会委員長646,700
野口,大橋,岩本,堤常任委員会副委員長638,200
山口議会運営委員会副委員長638,200
田口,前田,高野,広瀬,松岡,手塚,木村,岡沢,池上,妹尾,工藤,中武,漆原,千葉,有山,岡林,大地,藤田,八尾,堀井628,800

私たちの税金からこれだけの給与が支払われています。選挙のときだけ注視しておいて、4年間放ったらかしにするのはもったいないですよ。計算してみて分かったのですが、議員は全員、年収1000万円以上です。ただし今年(2015年)の年収は4月に選挙があったので、そうではありませんからご注意ください。これについては別建てで、もう少し生々しく表現しようと思っています。しばしお待ちを。

市長が給与カットを公約に掲げていたので、それに追随する形で議員が自発的に協力姿勢を見せるなら、まともかなと思っています。議員の報酬カットは2009年、2012年にも行われていたようです[1]ので、筆者はその点に注目しています。

[1]市議会議員の議員報酬に関する特別措置条例

堤議員

堤議員はブログで次のように述べています。

市長の報酬を2割カットし、退職金をなくすなど、市民への負担を求める代わりに、自らも身を切るということです。徹底した行政改革、外郭団体への補助金の見直し、指定管理者の裁量を拡大させるなど事業の拡大をし、参入しやすくしていくとされました。そのことで、公共施設の民間委託(指定管理段)が進むのか?

など疑問点がいっぱいです。

伏見市長の所信表明が行われました・・美術館整備はゼロベースで見直し,枚方市会議員 つつみ幸子の「みんな笑顔に」(2015年10月21日)

正しく用語を使えない

まず、市長は「報酬」ではありません、「給与」です。市長等の給与に関する条例は「給与」と表現していて、「報酬」の文字はありません。議員の立場でコメントするなら、適切な言葉を使わなければならないのは言うまでもありません。

正しい文章を書けない

次に、この文には主語がありません。それに「市長の給与カットと退職金ゼロは市民の負担だ」と書かれています。この文は何を言っているのか分かりません。市長の言う「市民に分かち合ってもらいたい痛み」とは、財源の確保のために優先度の低い事業を休止したり、廃止したりすることによって出る影響のことです。

市長の「指定管理者の裁量を拡大させたい」考えに言及している部分は、まったく読解不能です。

専門用語の意味を正しく理解していない

そして「民間委託」と「指定管理者制度」は別物ですから、区別して記述しなければなりません。この書き方をするのは、指定管理者制度をちゃんと理解していない証拠です。それに、枚方市はどちらも既にたくさんの事例がありますから、常に厳密に区別して発言することが求められます。

読解力がない

市長は「事業の拡大」をするとは言っていません。市長は「競争原理が働きやすい指定管理者制度」を目指すとは言っていますが、取り組みには「…(中略)…などを検討」と言っていて、どのような手法が最適なのかを探る考えです。まだ市長は「指定管理者の裁量を拡大させる取り組みや参入機会を増やす」とは決めていません。方法論はまだ先の話です。

校正をしていない?

文書をおおやけにする前には、誤字や脱字をチェックするものです。筆者もこのページを公表する前には何度もチェックをしています。人間のすることですから、どこかに誤りがあることは仕方のないことです。かくいう筆者のサイトにもどこかに誤字脱字があるだろうと思っています。

「指定管理者」の部分に誤字があります。堤議員は54歳ですから、老眼などの理由で画面の見づらい状況は理解します。しかし、この投稿の文字数は2449字でした。ですから、誤字脱字の類は軽くチェックすれば見つかったと思います。

補足すると、このブログは議員や市職員などを相手に話をしているのではなく、市民へ向けて発信しているはずですから、ここは「指定管理者制度」と記述すべきでしょう。

広瀬議員

広瀬議員はブログで次のように述べています。

維新改革の嵐が吹き荒れるのではと、身構えておりましたが、市民に痛みを押しつける行革の推進を決意されたものの、目新しいものはほとんどなく、数々の公約施策の具体化も市政運営方針に先送りされておりました。良かったのは、美術館をゼロベースで見直すと述べた点。

とは言え、心配な点は多々あります。気になる点を中心に要点を紹介します。27、28日に行われる各派代表質問に対する市長答弁に注目したいと思います。

伏見市長の所信表明,子育ても老後も安心の枚方を!(2015年10月21日)

演説の目的を理解していない

ブログを読んでいるこちらが恥ずかしい思いをしました。所信表明とは、で「信じている事柄。信ずるところ。(=所信)」を「自分の考え・決意などを、はっきりあらわし示すこと。(=表明)」です[2]。具体的な話は市政運営方針で行われて当然でしょう。所信表明演説では傍聴席が満席になったらしいですが、この演説にはあまり深い意味はありません。広瀬議員は現在5期目の市議会議員だと申し添えておきます。

やったつもり

この後、広瀬議員による市長の所信表明の要約が続くのですが、「気になる点」がどう気になっているのかは述べられていません。筆者が想像するに、広瀬議員は「まずここに『気になる点を紹介する』と書いておいて……ひとつずつ紹介しようっと……そしたら先に『市長の所信表明』の要点も書いておかなくちゃね…(ひたすら抜き出し)…できた!(投稿ボタンをクリック)」といった感じで、抜粋しただけなのに完成したと思い込んでいると思われます。

今回もそう[3]ですが広瀬議員、具体的に問題点を指摘しないまま「心配だ」などと述べ、無用な混乱を招くことのないようお願いします。

[2]デジタル大辞泉より。

[3]前回は菅官房長官コメント、マイナンバー通知の配送遅れ, ごみの広域処理施設の建設計画

松岡議員

松岡議員はブログで次のように述べています。

昨日は、新市長の所信表明でした。いつもは、静かな本会議場がある市役所4階が 私が、控室へと階段をあがった9時半前にはすでに人がたくさん来ていました。議場内の傍聴席はほどなく満席となり、別室が用意されていました。さて、さて、新市長の所信表明は???傍聴された方が何人も、控室に感想を訴えに来られました。みなさんの第一声は「何にも変わらんやんか」。そうです。おそらく新市長には少なくとも「元市長の政治を変えてほしい」との期待がかけられていたのではないでしょうか?対決軸だとあらわされてきたにも関わらず、実はおおむね同じ政治姿勢だということです。まだまだ「いや。今回とりあえずだよ」といった声も聞こえています。「所信表明に若さがないな」っとどなたかが言った言葉ですが、所信表明で語られた、数々の選挙公約には「検討していく」という言葉が最後に添えられていて、このまま当面は元市長の政治姿勢をそのまま継続です。「枚方の反維新と維新は同じ政治の中身だったの?」28日は我が会派団長の代表質問です。維新市長の政治はいかに?と問うていきます。そうそう、香ケ丘中央公園の美術館は「寄付者と話をしていく」といった主旨が語られています。そのあたりは、元市長とは少し違うのかな?ただ、維新会派市議会議員の多数は美術館には賛成しておられましたので、ねじれは解消できるのでしょうか?

新市長所信表明の感想は?,松岡ちひろの明日があるさ(2015年10月21日)

段落に分けられない

読者の皆さん、文章を書く際には必要に応じて適切に段落に分けるものだと、小学校で習いましたよね。松岡議員は現在48歳だと申し添えます。

文章を書けない

ひとつの文章に主語がたくさん出現しています。一文に主語と述語の対応する節が複数あるのは不思議なことではありませんが、2つ目の文は「いつもは静かな本会議場がある(=今日はうるさい本会議場がある?)」「市役所4階が私が控室へと階段をあがった(=階段を上がったのは市役所4階?私?)」となっていて、意味の分からないことが書かれています。

筆者が書き直すとすれば「市役所本館の4階には本会議場があります。そこのフロアはいつもは静かなのですが、伏見市長の所信表明演説のあった10月20日は、そうではありませんでした。その日の午前9時半前、私は控え室へ向かうため階段を上ると、そこは既に多くの傍聴希望者などでいっぱいでした。」です。

正しい用語を使えない

竹内氏は「元市長」ではありません、「前市長」です。「元市長」は複数人いますので、誰のことかも分かりません。国語辞書に「対決軸」という言葉の掲載はありません、「対立軸」であれば掲載されています。

大小比較ができない

松岡市議が「維新会派市議会議員の多数は美術館には賛成」とおっしゃるので、ここに「未来に責任・大阪維新の会」会派の美術館関係の賛否の状況を再掲します。

未来に責任・大阪維新の会所属議員の賛否
名前寄附の収受美術館条例
岩本優祐反対反対
木村亮太反対反対
岡沢龍一反対賛成
池上典子賛成賛成

これをどのように見れば「美術館に賛成している議員が多数」と読み取れるのでしょうか。松岡議員、説明してください。

思い込みが激しい

松岡議員の言う「ねじれ」とは、何のことでしょうか。例えば、国会の衆議院と参議院で、議員数の多数を占める政党の異なった状況をマスコミが「ねじれ」と呼びます。法案の議決結果が衆参で正反対になることで、法案の成立や廃案の決まるスピードが遅れる特徴がある、という具合です。どことどこが正反対になっているのかを書かないければ、松岡議員の言うことは意味不明です。

松岡議員の文章が「美術館に賛成・反対」と、あいまいな表現をしているため、寄付や建設について如何いかがなど、筆者には推察できません。以下、松岡議員は「維新」の中で、美術館建設に賛成派と反対派に分かれていることを「ねじれ」と呼び、「ねじれ」は問題だ、との見解とみなして述べます。

そもそも、美術館の建設については会派で一致して賛成・反対しないといけないことでしょうか。よその会派が言及するべきことでしょうか。それに、他の会派(自由民主党議員団・民主市民議員団)でも、会派の中で賛否は分かれています。ではなぜ、松岡議員は「維新」の「ねじれ」を批判しておきながら、そちらの「ねじれ」を批判しないのですか。

人の話が聞けない

所信表明には、美術館問題については、寄付者に面会して白紙撤回の意思を伝えたことが述べられています。マスコミ報道でも、そのことが伝えられました。なのに、松岡議員は「『寄付者と話をしていく』といった主旨が語られ」と書いています。いえ、もう寄付者との話は始めているのです。なぜ松岡議員は人の話を聞かずに批判を始めるのでしょうか。人の話が聞けない人が、市民の負託に応える仕事などできるはずがありません。

二元代表制を理解していない

地方政治は、議員から首相が選出される国会とは異なり、首長も議員も有権者から選出されます。どちらも民主主義の手続きによって選ばれるわけですから、どちらも民意を反映しています。だからこそ、首長は議員を、議員は首長を互いに尊重すべきではありませんか?

例えば、市の職員が「検討する」と言います。彼らは、意思決定について自分たちの裁量を超えている場合は即答できません。だから、そのように言わざるを得ず、批判を受けるのです。

しかし、行政の長と政治家を兼任する市長が「検討する」と言った理由は、自分で決めてしまうこともできるけれど、少数意見も聞きたいとする意思の表れだといえるでしょう。所信表明の中に「二元代表制」という言葉を入れているのがその根拠です。議員の皆さんからも方法論で提案や助言が欲しいからだと、筆者は思っています。その市長の気持ちに松岡議員は「(前市長の)政治姿勢を継続」と吐き捨てているのです。

市長が議員の意見を聞かずに決めたら強引だと批判し、市長が「検討する」と言えば「なぜ決めていないのか」と問いただす。そのやり方は、いずれ支持者に知れ渡るでしょう。

大橋議員

大橋議員はブログで次のように述べています。

…(中略)…最初ということもあってか、内容については、竹内市長時代を継承した施策がとても目立ちました。当面は安全運転ということなのだと思います。子どもの医療費助成高校卒業まで無料、保育料2人目から無料、小学校全学年で少人数学級など、実はお金のかかる施策を掲げられていましたのでどうなるのかと注目しておりました。これら全部やると年間10億円はくだりません。ただ、これについてはかなりトーンダウンしています。でも公約というのは、四年間で達成していただくものですから、まだまだこれからです。良いものはしっかりと評価し後押ししていく、そうでないものについては修正を求めていきたいと考えています。もちろん、財源の見込みが最も大切だと思っていますので、そこについては無責任なことにならないようにしていかねばと心しています。

所信表明から各派代表質問に向けて(枚方市議会) , 大橋ともひろオフィシャルブログ「ちっちゃいけど大橋!」(2015年10月21日)

段落に分けていない

前述の通り。法務省の職員だった経歴があるとは思えません。でも文意は伝わります。

トーンダウンと指摘

「安全運転」と良い表現をされているなと思います。筆者は伏見市長が初日から暴れるのかなと、期待と不安の気持ちが半々でした。ちょっと物足りなさはあるものの、円滑な議会運営を考えればこんなものかなとも思っています。トーンダウンをしても、やはり市長が約束した以上は挑戦してもらわなければなりませんから、抜け落ちのないようにしてもらいたいところです。

大橋議員は是々非々で挑む姿勢を表明しているので、見守りたいと思います。日本共産党議員団のような「評論家になることなく果敢に行動」していただきましょう。

代表質問の内容と答弁

追記:録画映像が公開されましたので、別で記事にしました。

野口議員

野口議員は各派代表質問の後、ブログで次の通り述べました。

枚方市議会で本日11時から代表質問に立ちました。8月30日の市長選選挙で初当選した伏見市長が10月20日に発表した所信表明に対して、日本共産党議員団を代表して質問しました。傍聴席を見るとたくさんの方が傍聴に来ていただき、たいへん心強い気持ちで質問できました。市長が自ら給与を2割カットし市民の皆さんに痛みを分かち合ってもらうという方針に対して。「2割削減といっても月100万円の給与が80万円になるだけだ。多く高齢者が年金月8万円、年間96万円で生活されています。このような多くの市民の皆さんはこれ以上の負担増、痛みを受け入れてくれると思っているのか。そのような市民に痛みを求めるための給与カットなどすべきでない」など維新政治を枚方に持ち込ませない。市長選の市民が期待した公約守れと質問しました。

代表質問しました « 日本共産党 野口光男(2015年10月28日)

手短かに添削します

  1. 「です・ます調(敬体)」か「だ・である調(常体)」に統一しましょう。
  2. 先頭から数えて3つ目と4つ目の文の間で段落に分けると良いでしょう。
  3. 「発表」の部分は幼稚なので「10月20日に伏見市長が表明した所信に対して」がよろしいかと思います。
  4. 先頭から数えて3つ目の文にある「傍聴席」「傍聴」はどちらか削りましょう。
  5. 「月100万円」は「月額約100万円」にしましょう。
  6. 「80万円」は「80万円くらい」にしましょう。
  7. 「多く高齢者が」は「多くの高齢者が」にしましょう。
  8. 「年間」は「年間にして」にしましょう。
  9. 「これ以上」は「さらなる」にしましょう。
  10. 鍵括弧始め直前の句点は取りましょう。
  11. 「持ち込ませない。」は「持ち込ませないために、」にしましょう。

議員は日本語を大切に。ブログのアップロード前には何度も校正をしましょう。

公約を果たそうとする市長に公約守れ?

野口議員は正気でしょうか。市長の給与カットは市長選挙の公約でした。どう見ても公約を破っているように思えませんが、なぜでしょうか。説明が必要です。

約20万円減らすだけだ!減らすな?

削減額が少ないと指摘するのかと思いきや、削減すべきでないと主張しました。これにはびっくりです。過去、野口議員は市長の給与削減に反対しなかった[4]のに、今回は反対をし始めました。お笑い芸人のネタならウケるかもしれませんが、議員が言ったら笑えません。

野口議員は月額で638,200円の報酬をもらっていて、年2回のボーナス(期末手当)もあります。今年(2015年)は既に6月に出たはず(たぶん今年の6月ボーナスは482,769円で、来年から1,609,230円)。来年からは1000万円プレイヤーです。そんな56歳の野口議員が「年金月8万円、年間96万円」で生活する多くの高齢者に負担や痛みを求めるべきでないから、市長給与をカットすべきでないと言っています。意味不明です。

枚方市にお金がないのですから、できるだけお金を浮かせてくれるとありがたいのです。野口議員は過去にも例がある議員報酬の減額を忘れているかもしれませんね[5]。それから、野口議員が議席を持っていなかった時代に、日本共産党議員団の他の議員も反対しなかった例もありました[6]

野口議員の言っていることは、こういうことでしょうか?市長の給与を減らしてもたいした額にならないけど、議員の報酬を削減すれば頭数もあるので効果が出る。だから、市長の給与を減らさないで議員の報酬を減らしましょうと。これについては代表質問の中であったかどうかを会議録で確認する予定です。

「維新政治」を持ち込ませない

NHKの出口調査を見る限り、伏見市長に投票者した人の支持政党の内訳は、多い順に①維新②支持政党なし③自民④公明⑤民主⑥共産でした。あまり色濃くやると、確かに「支持政党なし」の有権者から批判は出るでしょうから、野口議員の投稿と議会での発言が結びつくかは会議録を読んで検証しようと思います。

[4]枚方市議会「平成21年第1回定例会 議案第103号 市長等の給与に関する特別措置条例の一部改正について」市長の給与を3パーセント削減。委員会の付託を省略、討論なし満場一致で原案可決。出席議員4番に野口光男と記録されています。(2009年3月27日)

[5]枚方市議会「平成21年第1回定例会 議員提出議案第7号 市議会議員の議員報酬に関する特別措置条例の制定について」議員の報酬を3パーセント削減。質疑なし、委員会の付託を省略、討論なし満場一致で原案可決(提出者:桝田議員含む10名)。出席議員4番に野口光男と記録されています。(2009年3月27日)

[6]枚方市議会「平成24年第1回定例会 委員会提出議案第1号 市議会議員の議員報酬に関する特別措置条例の制定について」議員の報酬を6パーセント減額。質疑なし、委員会への付託なし、賛成討論は手塚議員、反対討論なし満場一致で原案可決。(2012年3月28日)

広瀬議員

広瀬議員は各派代表質問の後、ブログで次の通り述べました。

授業料が無償なのに廃止するな?

許せないと感じたのは、枚方市の奨学金の廃止[7]を検討しようとしていること。子どもの貧困、貧困の連鎖を止めなければならないと言いつつ、奨学金の廃止なのか?

枚方市の奨学金は高校生向けの給付制度。だからこそ、ありがたいのに。自身の公約では重点政策だった少人数学級の推進は、所信表明で一言も触れず、なぜかと問えば重点だけを話したからだとの答弁。おいおい、重点政策ではなかったのか?今後、定める第5次総合計画の実施計画のなかで明らかにすると逃げてしまった。いきなり公約違反の匂いがする。

奨学金制度の廃止は許せない! ,子育ても老後も安心の枚方を!(2015年10月28日)

よくよく考えてみると、この批判はおかしい。国の「高等学校等就学支援金制度」と大阪府の「私立高等学校等授業料支援補助金制度」があります[8]。これによって、高校の授業料は公立も私立も無償になったんですよね。であれば、奨学金を廃止しても問題はありませんが、なぜでしょうか。説明が必要です。

なんでもかんでも所信表明で触れていたら、時間とお金ばかり食って無駄です。前述のとおり、所信表明にはあまり意味がないのですから、「公約違反」と表現するのは極端な物言いです。

財源の話をしない

しかも、待機児解消は小規模保育でまかなう方針だ。小規模保育事業にはA型からC型まであるが、枚方では既存の簡易保育園が移行でききるようにとA型より要件のゆるいB型で実施しているが、本来は既存の保育園と同様の基準とすべきで保育の質を下げることだけはやめてもらいたい。第2子無料化を打ち出せば、保育需要はさらにふくらむかもしれない。しかし、現状は4月当初にも待機が生じている。定員増の計画はたてられているが、これに小規模保育を追加したとしても果たしてまかなえるのか。

待機児解消と、第2子無料化、同時達成しなければならない。第2子無料化しても入れなければ意味がないからだ。もちろん、兄弟児[9]は何と言っても一緒の保育所に入れて欲しい。保育問題は、これから始まる決算でも聞いていきたい。

奨学金制度の廃止は許せない! ,子育ても老後も安心の枚方を!(2015年10月28日)

「待機児」とは呼びません、「待機児童」です。「決算」はおそらく「決算特別委員会」のことを指しているのでしょう。専門用語をきちんと書いてくれなければ、市民には何のことか理解できません。こういうところは、まさに市民軽視です。

さて、保育に最も求められていることは何でしょうか。待機児童の解消なのか、質の高い保育なのか、保育料なのか、きょうだい[9]で同じ保育所なのか、はたまた他の何かなのか。しつこく繰り返しますが、いま枚方市にはお金がありませんから、バラ色の施策はできません。したがって優先順位をつけざるを得ないのです。コンパクトにするためには、どこかを犠牲にしないと無理です。なのに、広瀬議員からそういう提案はありません。それが筆者にはとても不思議です。

[7]枚方市奨学金,枚方市(2015年7月1日)

[8]大阪府/私立高校生等に対する授業料支援について,大阪府(2015年5月28日)

[9]女のきょうだいも、異性のきょうだいも一般的ですが、広瀬議員の頭の中には男のきょうだいしかないようです。地方議員がこんな調子だから、ずっと男女不平等社会なのかも知れません。

松岡議員

松岡議員は各派代表質問の後、ブログで次の通り述べました。

今日は、維新市長所信表明に関する代表質問2日目われら団長が、質問に立ちました!昨夜、日付が変わるころまで練り上げてくれた中身です!ごく、ごく簡単に報告!まずは、平和問題では府下最も早く非核平和都市宣言を行った枚方市でありながら所信表明では一切平和問題を触れなかった維新市長に戦争法を問いました。国において憲法の理念を遵守し慎重に運用されるものと考えていると答弁がでました。そもそも憲法違反は明確な戦争法です!慎重に運用なんてありえないと指摘をしました。維新橋下さんが作った職員基本条例です。団長から、枚方市は職員基本条例の立場をとるのか?それとも憲法15条2の立場なのかを問いました。「憲法の立場」と答弁これを職員基本条例と答弁をすれば、まさしく市政に対立と混乱がおきますよね。(第十五条 公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。② すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。)これで良いのか?市長公約・・・ということでいえば、「中学校給食は全員喫食を」「保育所入所第2子無料」「少人数学級の6年まで拡大」というこうした私達としても応援する公約でしたが今のところ、「保育所民営化で財源をつくる」「今後検討する」といういつ実施するのか?実現の見通しもつかない中身に「期待された市民のみなさんにどう責任とるのか?」と問いましたがあいまいなままでした。さて、市長給与2割カット公約にはあくまで市長のスタンスは「痛みを伴う改革を行うための、私自身も痛みを受ける」とのこと。カットしても80万円の市長と、年金10万円も満たない生活をしている市民とはまるで違う。こんな市民に痛みを受けてくれてという給与カットには賛成することはできないと団長はきっぱりと意見を述べました。おおむね、どの会派からも「前市長の政治姿勢が踏襲されている」と指摘いかにも、異なる政治姿勢と対決ムードが作られましたが中身がかわらないというのは、本当に我が議員団だけの認識では無かったことがあきらかにされました。

枚方では職員基本条例の立場をとるのか?憲法15条2の立場なのかを問う!,松岡ちひろの明日があるさ(2015年10月28日)

議員はタレントではない

段落に分けましょう。見づらい上に、引用ができません。タレントのブログじゃあるまいし、ちゃんとした日本語の文章を書いてください。これでは議員としての品位がありません。

相変わらず日本語がめちゃくちゃです。時間がかかりそうなので、後回しにします。

法案名は公知の名称で

「戦争法」って何ですか?日本の法律に実在するのでしょうか?例えば「安全保障関連法[10]」の様に表現してください。やはり議員という立場でのコメントは、飲み屋さんでの愚痴とは違います。

国政は国会で議論するもの

市政に関係のない議題は市議会で議論しないでほしいです。国政については、別の手続きで国民がふさわしい人物を選んでいるのですから、口を挟む資格などありません。

枚方市に職員基本条例はない

大阪市の「職員基本条例」を枚方市が適用するなんて、あり得ないことです。念には念をと思い、いちおう枚方市の例規集で「職員基本条例」を探してみたのですが、見つかりませんでした。要するに愚かなクイズを市長に出したみたいです。あー、時間の無駄です。まじめに仕事をしてください。

議論が始まっていないのに

これから具体的に議員と議論しようかという段階なのに「実現の見通しもつかない」は暴論です。

市議と年金生活者“も”まるで違う

松岡議員の報酬月額は628,800円です。2015年6月には475,659円のボーナス(期末手当)を支給されたはず(2016年から1,585,530円)。松岡議員も2016年から1000万円プレイヤーです。自分のことを棚に上げて、こんなことを平気でブログに書いています。

どうにか対決ムードを作りたい日本共産党議員団

日本共産党議員団は「維新政治」と表現して対決に持ち込みたかったのに、市長のノーサイドのようなふるまいに、がっかりしたのでしょう。批判が自分たちの仕事だと思っていたら、それは大きな勘違いだと認識してください。

[10]「我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律」と「国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等に関する法律」。

田口議員

田口議員は代表質問後にブログを更新しました。

…(略)…さて、、ここ2日、市長の所信表明演説に対する代表質問が一日中、続いていました。「前市長と大して変わらないじゃないか」というものから「応援しますよ」まで色々な発言が飛び交いましたが(私も大きく変わっていないように感じましたが)…(略)…「是々非々」これほど実は便利で、ある種「嘘くさい」言葉は無い。…(略)…改めて我が会派も「是々非々」で臨みたいと考えております。きょうも本会議(議案審議など)がございます。「是々非々」で臨みます。

「嘘くさい」言葉。 ( 政党、団体 ) - 枚方市議会議員 田口よしのり議員報告ブログ(2015年10月29日)

もともと、おふざけ路線で書くと公言して投稿しているブログなので、引用しようか迷いましたが、少なくとも田口議員は是々非々のようです。

丹生議員

丹生議員は有山議員の代表質問と答弁の一部をブログで紹介しました。

質問要旨

市長は、人が集まるまちづくりの重点施策に「枚方市駅周辺再整備」を挙げており、今後、よりスピード感が求められる。市民にこれまで以上にわかりやすく、今後の(再整備の)方向性を示すべきではないか。

市長答弁

枚方市駅周辺再整備では対象エリアを5つの街区に分けて検討しているが、市民会館・市庁舎エリアや官公庁団地エリアなどは公有財産が多い。こうした公的ストックの最適な利活用を念頭に[11]置き、枚方市駅周辺のイメージ鳥瞰図を作成するなど、市民にわかりやすい形で方向性を示していく。

代表質問 - にふまこと(丹生真人)Web(2015年10月29日)

枚方市駅周辺整備の方向性

京阪枚方市駅周辺が長期間廃れたままになっていて、しびれを切らした民間商業施設が改装工事をしているような印象はあります。過去に計画の進捗状況を見たことがありますが、ペースがゆったりしていて、市民との協働もうまくいっていない(決裂している)感じでした。「スピード感」を必要とする認識のもと、発言している点は評価できます。

子育て施策の財源をどう確保するか

また、公明党の代表質問で確認できた事項が公表されています。

丹生議員によると、質疑の中で伏見市長は前市長時代で決まったこども医療費助成や中学校給食について「なお上回る事業を推進したい」意向を示したとのことです。上記の数字を足し算すると、約27億9000万円です。丹生議員は「新たな財源確保も含め、今後どのようにすすめていくのか、注視が必要」と投稿を結んでいます。

伏見市長がエフエムひらかた出演時に「枚方で子育てしたいなと思ってもらえるようなまちにしたい」と言っていましたが、避けて通れない財源の確保の道に入ったということですね。

公的ストックの活⽤

市長から「公的ストック」という専門用語が出されました。枚方市が公表している資料や議会の会議録で、この言葉は登場したことがないようなので、少し調べてみました。

近年は国や地方自治体の公会計において、民間の視点や発想に基づく経営の効率化が求められるようになってきました。夕張市に代表されるような自治体の経営破たんが深刻な問題となっている状況では、各団体の単年度の収支である「フロー」だけを改善しようとするのではなく、その団体が所有する資産・負債などの「ストック」の状況を正確に把握し、財政状態を抜本的に立て直していく必要があります。

公的資産マネジメントの動向と今後の展開|日本総研,小松啓吾(2008年1月11日)

お金の使い道を改めるのに、単に入ってくるお金と出て行くお金だけをチェックするのではなく、資産(ストック)も含めて考えましょうということなのでしょう。

一見、真新しいことを始めるのかと思いきや、そうでもないようです。内閣府の公共サービスイノベーション・プラットフォームで、全国の公的ストックの有効活用事例が紹介されています。枚方市内では大阪府の「⼤阪府営枚⽅⽥ノ⼝住宅⺠活プロジェクト」が紹介されています[11]。そして、枚方市駅周辺再整備についても紹介されていました[12]

つまり、伏見市長は枚方市駅周辺再整備について、前市長時代の流れを大きく変えるつもりはないと答弁したようです。

枚方市の事例が掲載された[12]次のページには、東京都豊島区の「区有地の資産活用による新庁舎の整備」があります。これを見て、ふとこのツイートを思い出しました。木村議員は2015年7月22日に公的ストックの有効活用の事例も視察していたようです。

今日はこれまで豊島区の新庁舎の視察でした!1、2階が商業施設。3〜10階が庁舎。その上がマンションという建物です。 pic.twitter.com/ZIbZbrrlVo

— 木村亮太(きむらりょうた)@枚方市議会 (@kimura_ryota) 2015, 7月 22

[11]資料8-3 これまでの取組で収集した優良事例について,第1回公共サービスイノベーション・プラットフォーム,内閣府(2015年9月14日)

[12]資料1 地方の先進的な取組に関する意見交換会(現地視察)報告,第2回公共サービスイノベーション・プラットフォーム,内閣府(2015年10月30日)

堤議員

各派代表質問を終え、ブログで次の通り述べました。

質問した全員が「美術館をゼロベースに」ということについて質問しました。賛成、反対のさまざまな意見がある中、寄付者はもちろん市民の皆さんともきちんと話し合いをしてほしいと思います。美術館設置条例施行日期限が来年の3月であることから、その日までに何らかの結論を出すように求めました。

代表質問で、子ども医療費の無料化の拡充など子育て支援を進めるとしながら、財源を公共施設の民営化や有料化、市立保育所の民営化を進めることで生み出していくことなどがあきらかになりました。

市長は、自らの給与カットや退職金の返上を行うとしていますが、市民の皆さんと痛みを分かち合うために行うのであれば、納得できません。

所信表明に対しての代表質問,枚方市会議員 つつみ幸子の「みんな笑顔に」(2015年10月30日)

添削

今回は文意が伝わりましたが、次の点に気をつけましょう。

  1. 1つ目の文に2回出てくる「質問」を1つにしましょう。
  2. 3つ目の文で「の」が3回も続いています。

その先の議論がない

市民に痛みを分かち合ってもらうための市長の給与カットと退職金ゼロに、日本共産党議員団は反対の立場であることが初めて分かりました。堤議員の2015年10月21日のブログ同日の広瀬議員のブログ野口議員の2015年10月28日のブログ同日の松岡議員のブログで市長の給与と退職金について、意味の分からないコメントが投稿されていましたが、この投稿で議員団の主張がやっと明確になりました。

では、日本共産党議員団は財源を確保するために何が必要だと考えているのでしょうか。そこが何もなければ、無責任と言わざるを得ませんし、地方議員としてふさわしい言動ではありません。地方議員の中に批評家、評論家は不必要です。

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