議員の施策への熱意を計る(平成28年9月議会一般質問)

質問しない議員

大塚議員(連合市民の会)は議長のため、前田議員(自由民主党議員団)は副議長のため、質問できません。この2人を除いて、今回の一般質問で質問の通告をしなかった議員は次の2人です。

計測結果

大項目のみで熱意を集計しました。「熱意」の定義は従来通りです。

考察

これまでの一般質問と比較しながら、議会の関心の移り変わりを見ていきます。熱意の度合いは、これまでの一般質問の値と単純比較しても差し支えありませんが、質問件数の分野ごとの定量的な比較はできません。

市内の特定地域のまちづくり

まちづくりに関する質問が最も多い質問のひとつで、熱意も最も高くなりました。「香里ケ丘」に分類した質問は、まちづくりに関する質問にあたりますが、少し目立ちましたので分けています。

中学校給食・小中一貫教育から、学校規模適正化へシフト

教育に関する質問は依然として多く、熱意も変化はありません。学校給食に関する質問は、1年前の一般質問では1件でしたが、中学校給食が2016年4月から始まると質問件数が増えていました。議員は各学校の喫食数や喫食率のデータ提供を受けているようなので、今後の方向性を提示するなどの議論が行われようとしても不思議ではありませんが、議会全体としての関心は低いような印象を受けます。前回までは市長公約の小中一貫教育に関する質問がありましたが、いわゆる統廃合(学校規模適正化)に関する質問ばかりになっています。

2016年9月9日、桜丘中学校で理科の実験中に異臭が発生し、生徒が救急搬送された事案がありましたが、この件について質問の通告はありません。仮に質問をしたいと考える議員がいても、一般質問の通告期限はその日の正午でしたので、時間的には間に合わないことは把握しておく必要があります。

待機児童の問題に絞る

前回の一般質問で質問件数が多く、熱意の最も高かった子育てに関する質問は、順位を下げています。1年前の子育てに関する質問内容は議員の間で内容にばらつきがありましたが、3ヶ月前には待機児童や貧困にまとまり、今回は待機児童に関する質問に絞られています。

税収以外からの資金調達

財政改革に関する質問は、1年前は2件しかありませんでしたが、駐車場の有料化やふるさと納税の返礼品の導入に伴って質問が徐々に増えています。ただ、見かけとは異なり、熱意は前回から変化していません。

オリンピック・イヤー?

今回はスポーツに関する質問が増えましたが、質問内容が漠然としている不自然さがあります。これはオリンピック・パラリンピックの開催中だからではないでしょうか。それを除けば、いつものように野外活動センターに関する質問が通告されているだけです。

懸念される総合交通計画協議会への影響

八尾議員は交通に関する質問1件だけでしたので、集計手法を考慮すると結果に過剰な影響を与えています。よって、交通に関する質問への熱意は割り引いて読み取る必要があります。それでもなお、交通に関する質問は件数も熱意も高いままです。その理由は、交通問題が各議員にとって地元の要望を伝える(=選挙地盤を固める、票を集める)重要な施策だからです。

大阪府が淀川渡河橋のうち、牧野高槻線橋梁の事業に着手すると決定したことを受けて、質問の通告はありません。現在、枚方市総合交通計画協議会が進行中なのに、議員が交通に関して様々な見解を述べると協議に影響するのではないかと心配しています。

治安に対する市民と政治家の温度差

防犯に関する質問は1年前には行われていましたが、今回と同様に少ない件数です。枚方市民の枚方の治安、事件に対する関心は、かなり高いにもかかわらず、市民は改善されていないと評価している実情があります。

今年度に取り組む施策は防犯灯LEDの設置、防犯カメラの設置、青色パトカーの巡回です。市民アンケート結果は、防犯カメラの設置による抑止力に期待する意見が多数を占めていましたが、一部で「ハードの整備だけでは解決しない」といった意見もあり、このような意見の反映を課題と認識する必要があります。


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