小さなニュース 第28回

多数の“できない”回答

平成29年10月までに寄せられた「市長の提言」について、理由を示して要望には応えられないとする回答が多数ありました。

表1.市長への提言と市の考え方(平成29年10月)
提言番号件名と要旨市の考え方
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高齢者外出支援について

高齢者外出支援策としてのバスカードの助成のシステムが変更されています。経費削減のためでしょうか。

これまで実施してきました高齢者外出支援カード配付事業は、媒体である磁気カードが、平成29年度中に発売・利用終了することとなったため、事業を継続することが不可能となり、経過的な措置として、2年間に限り、JRでも利用できる交通系ICカードを活用した助成を行うこととしました。

交通系ICカードは、助成対象者が大幅に増えることが予想されるため、検討した結果、今回の助成内容となりました。

7

留守家庭児童会室の利用について

高学年の場合は、夏休み等の長期休業期間のみの留守家庭児童会室を利用できるようにしてほしいです。

平成29年4月以降、平成28年度に比べ、非常に多くの児童の入室があり、児童を保育する場所を拡充し、職員の確保に尽力・対応しているところであります。このような状況の中、まずは入室希望児童が急増する現状での児童会室の運営を確立していきたいと考えております。

児童会室の三季休業時(夏休み・冬休み・春休み)の開室の必要性については認識しておりますが、すぐにはお応えできない状況にあり、ご意見として承らせていただきます。

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第2子の保育料について

子ども2人以上の家庭では、第1子が保育所(園)を卒園していても第2子の保育料の軽減をしてほしいです。

保育所(園)利用者負担額(保育料)の算出については、国制度に基づき多子計算を行っています。国の基準では、一定の年齢制限・所得制限があり、この基準を緩和するためには多額の費用を要することから、財源確保を図りながら進めることが必要と考えております。多子計算の考え方の変更などは、待機児童の解消等、様々な施策に必要な財源確保や、国制度および他市の施策の状況も踏まえながら検討してまいります。

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児童相談所について

中核市ですので、児童相談所を設置していただきたいです。

中核市となり、児童相談所の設置が可能とはなりましたが、設置にあたっては、児童相談所の整備・運営に加えて、専門人材の確保・育成など様々な課題があり、設置市として業務を行っていく上での整備が必要となります。現在、児童相談所の設置について検討しております。

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水道料金の支払方法について

水道料金の支払いについてクレジットカード払いも選択肢に入れてください。そして、口座振替の手続きが用紙記入によるのみであるのは不便です。

水道料金のクレジットカード支払いにつきましては、システム改修費や取扱手数料が高額であるなど収納経費の増加が見込まれ、水道料金への影響が懸念されることから、現在取り扱っておりませんが、将来的な経営状況及び他市の導入状況等を踏まえながら検討していく課題であると受け止めております。

また、口座振替の手続きにつきましては、お客さまへの利便性を考えた方法等を調査してまいります。

いわゆる「お役所仕事」の典型です。できない理由ばかり探していて、なんとか実現させようと努力していません。

高齢者の外出支援

高齢者の外出支援については、相対的に高齢者の人口割合は高いことから声の大きな市民も多数いて、不満の声がよく聞こえてきます。

いくら若者世代の人口誘導を喚起しても、理想と現実の間には埋めることのできない大きな差があり、枚方市が超高齢社会でなくなる日は遠い未来の話です。それに、この年齢層は選挙では投票を棄権しませんから、結果を残さなければ市長が再選されないかもしれませんよ。

留守家庭児童会の開室など

担当部署は留守家庭児童会へのニーズを把握していながら、職員の確保や財政面に課題があって対応できていません。このような回答は過去にもありしました。

表2.市長への提言と市の考え方(平成28年9月)
提言番号件名と要旨市の考え方
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留守家庭児童会室の入室要件について

留守家庭児童会室の利用にあたって、月間15日以上の就労が要件になっています。勤務日数が15日未満でも、勤務時間が長い場合など利用できるよう基準の見直しをお願いします。

平成27年度から国の「子ども・子育て支援新制度」の中で、職員や施設など新たな基準を設けて質の向上を図るべく取り組みを進めているところです。留守家庭児童会室の入室については、現行の基準で入室対象となる児童が多数おられ、基準を緩和することは困難であると判断しております。

しかしながら、現在、全児童を対象とした新たな放課後対策として、放課後の児童の安全で有意義な居場所について検討を行っており、この放課後対策等と併せてより幅広い児童をサポートすることができるよう検討を進めてまいります。

表3.市長への提言と市の考え方(平成29年1月)
提言番号件名と要旨市の考え方
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留守家庭児童会室の土曜日の開室について

留守家庭児童会室は、土曜日に利用できないため不安を感じています。働く保護者が安心して子どもを預け、子どもが平日と変わりない環境で過ごせるよう毎週土曜日の留守家庭児童会室の開室を希望します。

児童会室の土曜日の開室につきましては、以前より保護者様からご要望をいただくことがあり、その必要性について担当課としては強く認識しているところです。現在、平成29年度4月以降の入室申し込みの受付を行っておりますが、昨年に比べて非常に多くのお申し込みをいただいており、児童を保育する場所の拡充と職員の確保に尽力・対応しているところです。このような状況の中、まずは入室希望児童が急増する現状での児童会室の運営を確立した後に、土曜日の開室についての検討を進めていきたいと考えております。

市長は本当に提言に目を通しているのかと疑問に思えてきます。市長が政策を立案し「挑戦」していません。職員は「市長は他人には『挑戦しろ』と言うのに、自分は何もしないのか」と思っているでしょう。

第2子以降の保育料

市長は選挙公約に掲げたことで、多くの有権者が期待していたはずです。残念ながら、まだ目標を達成できていません。この原因はスピード感をもって「新行政改革実施プラン」をまとめず、早期に財源を確保しなかったからだと思います。

中核市になっても設置されない児童相談所

保育所の待機児童対策ばかりに気を取られ、視野が狭くなっているのではないかと心配です。様々な課題があって現状では設置できないことは、職員が市長に報告しているはずですから、市長が動かないと何も始まりません。そうこうしているうちに、痛ましい事件が起きないことを願います。

水道料金のクレジット決済

水道料金の支払いをクレジットで決済できるようにすると、水道料金が高くなるため実施に踏み切れないという回答は理解できます。しかし、水道料金の支払いをクレジットで決済できる近隣市が実在します。この部分では都市間競争に枚方市は負け、選ばれないまちになっています。

いくら水道料金に影響すると説明しても、他市では行われているサービスですから、何度も提言を受けるのは不思議ではありません。市長が何かを考えてもらわなければなりません。

表4.市長への提言と市の考え方(平成28年7月)
提言番号件名と要旨市の考え方
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水道料金のクレジットカードによる支払いについて

クレジットカードで水道料金の支払いができるようにしてほしいです。

クレジットカード支払いにつきましては、口座振替やコンビニエンスストアでの納付書払いに比べて取扱手数料が高額であり、収納にかかる経費の増加が見込まれることから、現在取り扱いをしておりませんが、お客さまのニーズが多様化する中、将来的な経営状況等を踏まえて検討を進めていく課題であると受け止めさせていただきます。

「香里ケ丘図書館建替え・香里ケ丘中央公園整備に関する説明会」開催の予定

枚方市立図書館は、2017年11月30日午後7時、2017年12月2日午後1時30分に同じ内容の説明会を開催[1]します。場所は香里ケ丘図書館集会所です。説明会のチラシはありますが「本市の考え(案)」は当日、会場で配布されるものとみられます。市によると、設計事業者の提案を受けて市がまとめた内容を説明するということですが、よくわかりません。

[1] 香里ケ丘図書館建替え・香里ケ丘中央公園整備に関する説明会 | 枚方市ホームページ(2017年11月2日)

「子育て世代包括支援センター」開設の予定

市は2017年12月に北部支所で「子育て世代包括支援センター」を開設することを決めています。2017年2月17日の定例記者会見では、保健師を常駐させるほか、管理栄養士、歯科衛生士、心理相談員などを出向させて子育てを支援すると発表しています。これ以降、市からの公表はありませんでした。

スケジュールによりますと、市長は2017年11月28日に「すこやか健康相談室北部リーフ」のオープニングセレモニーに出席することにしています。これが「子育て世代包括支援センター」のことなのでしょうか。過去2年間は11月末に定例記者会見を開催していましたので、定例記者会見で発表するのではないかと筆者は考えていましたが、2017年11月中に定例記者会見は行われず、いきなりオープニングセレモニーを行うようです。

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