平成28年9月定例月議会の会議録を読む

2016年12月16日に会議録を公表していました。筆者が文字起こししなかった一般質問と、その他の内容を見ることにします。

市長給与の減額

福祉部の部長級職員の不祥事を受けて、市長の平成28年9月分の給与を10%減額、長沢副市長(福祉部の担当副市長)の給与と地域手当を10%減額する特別措置条例を全会一致で可決しています。

市民の税金から給与を支給されている以上、何かを理由に減らすことに異論のある市民は少ないと思いますが、この対応は事件の再発防止という観点では効果を期待できないと感じます。議会で議論された内容を見てみます。

◯野口光男議員 議案第35号 市長等の給与に関する特別措置条例の制定について、お尋ねをいたします。…(略)…今回のその幹部職員が起こした事件について、市長はどのように考えているのか、また、どのような思いで今回の措置を行ったのか、伺いたいと思います。

◯伏見 隆市長 今回の件は、部長級という本市の経営層に属する職員が起こした非違行為であり、市民の人権を守り、あらゆるハラスメントの防止に率先して取り組むべき職制からも、あってはならない不祥事だと考えております。

これを受けまして、私としましては、被害者と市民におわびをしたいという思いと、一日も早い信頼回復のために、みずから綱紀粛正の先頭に立つべきであり、それを形にしたいという思いから、給与の減額措置が必要と判断したものでございます。

◯野口光男議員 市長、副市長が給与1割減ということだけで、本当に市民の皆さんの納得が得られるものなのでしょうか。具体的な手だてを講じて、市役所の信頼回復を図るべきです。

そもそも、庁内全体に人権意識が欠如しているのではないでしょうか。だから、このような女性への卑劣な人権侵害となる行為を部長級が犯してしまったのではないでしょうか。

私は、予算特別委員会の中において、全職員に実施したアンケート結果で、セクハラを受けた職員1,294人、そのうち悪質なものだけで132人、そして行為をした者は上司からと答えた方が38.5%という実態を明らかにし、その改善を求めましたが、何ら改善ができていなかったのではないかと思います。

また、職員倫理ハンドブックにおいても、盗撮についても触れられていないし、その処分も甘いように思います。部長級のこのような事案では懲戒免職が妥当だという市民の声も多くあります。このハンドブックを実効性のあるものに見直し、そして職場で討議をするなどの徹底が必要ではないでしょうか。市長の見解をお伺いします。

◯総務部長 再発防止に向けた具体的な取り組みに対する御質問でございますので、私のほうからお答えさせていただきます。

今回の不祥事につきましては、改めまして、市民の人権を守り、あらゆる差別やハラスメントの排除を推進すべき市職員が犯した重大な非違行為であるとの共通認識に立ち、職員には引き続き継続的かつ長期的に、セクシャルハラスメントの根絶を初めとする人権尊重や人権擁護の意識が根づくような研修に取り組んでまいりたいと考えております。

また、加えまして、情報端末機器の普及に伴い、日常的に所持する携帯電話、スマートフォン等によって、今回の事案のような非違行為を簡単に行い得る状況になっていることを踏まえまして、使用方法を誤れば重大な結果につながることを改めて再認識するよう周知徹底いたしますとともに、職員倫理ハンドブックにつきましても見直しの検討を図るなど、一日も早い市民の信頼回復に向けた再発防止の取り組みに努めてまいります。

◯野口光男議員 3回目で恐縮です。

今の答弁を聞いて本当に驚いたわけですけれども、情報端末機器が便利になったから簡単にできるからと、機械のせいにしているような、そんな答弁にも聞こえてしまいますし、驚いてしまいます。

職員の人権意識が希薄になっているということの本質を十分理解していないのではないでしょうか。これでは、市長や副市長が減給するだけでは、市民の皆さんは納得できないと思います。

蔓延するセクハラの根絶どころか、犯罪が発生したということを反省しているのでしょうか。市のホームページに謝罪文も載っていません。市のホームページに謝罪文を載せる、また、職員倫理ハンドブックに盗撮について処分の項目を明記する、また、ハラスメントに関するアンケート集計結果の検証をしっかりするなど、具体的な対策を行うべきではないでしょうか。再度、市長へお伺いいたします。

◯伏見 隆市長 市長としまして、被害に遭われた方を初め、市民の皆様に対しては、さまざまな場面でおわびの気持ちを伝えていきたいと考えています。このような強い思いから、みずからの給与について減額措置を講じることを今回提案させていただいたところです。

再発防止に向けましては、先ほど総務部長が申し上げました手法を含め、私が先頭に立って取り組んでまいります。

平成28年9月定例月議会(2016年9月8日)

このように、有効な再発防止策はとられる見込みがありません。「お詫びに減給します」なんて言ったら、被害者はどう思うか考えないのでしょうか。今回の事件は仕事にやりがいを見いだせなかったライフ・ワーク・バランスの問題で、綱紀粛正は見当違いの対策だというのは既報の通りです。

この事件を受けて、どのような対策をとるかという議論に、野口議員が職員のセクハラに関するアンケート結果を持ち出していますが、これはおかしいです。それに、「(事件が起きた原因を)機械のせいにしている」と野口議員が発言していますが、総務部長の答弁をよく読まなくとも、総務部長がそのような発言をしていないのは明らかです。これもおかしい。また、市のホームページに職員の処分を公表していましたので、これも野口議員の嘘です。

残念ながら、今後も不祥事が起きるでしょう。

一般質問

田口議員

王仁プールの運営が「何となく」行われているとして、改善を求めていました。田口議員のブログにはパネルを提示して説明している様子が掲載されています。議論の前に、まずは簡単に基本情報を整理します。

質疑の内容を要約すると、以下の通りです。

大森議員

学校規模適正化

廃校を望まない保護者などが混乱しているとして、市の見解を確認していました。

◯大森由紀子議員 …(略)… 3.学校規模適正化に関する取り組みについて。

市では、本年3月の審議会の答申について、検討対象校ごとに説明会を開催されていますが、これまでもこのような答申の説明会を開催されていたのか。また、今回初めて説明会を開催されたのだとすれば、なぜ開催されたのか。まずお聞きします。

(略)

◯教育委員会事務局管理部長 次に、3.学校規模適正化に関する取り組みについて、お答えいたします。

学校規模等適正化審議会答申に対する説明会は、これまでは行ってきておりません。このたびの説明会の開催につきましては、審議会答申に対して、保護者や地域の方々から学校統合が今すぐにでも行われるのではないかなど答申と異なる問い合わせが多く寄せられたため、答申内容を適切にお伝えする必要があると判断したものでございます。

また、あわせまして、今後、学校規模等適正化基本方針を取りまとめていくに当たり、市民の皆様からさまざまな御意見を聞かせていただくことを目的に実施したものでございます。

(略)

◯大森由紀子議員 …(略)…次に、3.学校規模適正化に関する取り組みについて。

答申とは異なる問い合わせが多かったので説明会を実施したという御答弁でしたが、まだ教育委員会としての方針が決定していない中で、審議会に出された答申について教育委員会が説明するというのは、それがイコール教育委員会の方針のようにも受け取られ、かえって紛らわしくなってしまったのではないかと思うところもありましたが、私のほうにも答申とは違う、既に決定したかのような問い合わせが多くあり、例えば、これをあたかも市が決定したかのような情報を流して地域の不安をあおる動きがあったとすれば、そうした動きを許してはならないと改めて感じたところです。

平成28年9月定例月議会(2016年9月16日)

その「あたかも市が決定したかのような情報を流して地域の不安をあおる動き」の首謀者は野口議員です。まずは野口議員のツイッターをご覧ください。

朝から「山田小学校をなくさないで」という8459筆の署名を7名のお母さんと一緒に枚方市・枚方市教育委員会に提出し、副市長と教育委員会管理部長と懇談しました。 pic.twitter.com/cH18HAiehd

— 野口 光男 (@nogutti320) 2016年10月24日

写真の左から2番目の人物(「8459」と書かれた紙を持っている)が野口議員です。野口議員のブログには「議事録を作成していない」とか、要約を作成するために職員が記録していたものを削除したにもかかわらず、残しておくべきものを意図的に削除したかのような印象を与える記述で不安を煽っています。多忙な中、悪徳議員に騙されて署名を集めさせられた親御さんたちがかわいそうです。

市長が守口市の周年事業を欠席し、地域行事に出席した件

大橋議員が質疑したように、自覚を求めていました。

堀井議員

堀井議員は平成28年6月定例月議会の一般質問で、与えられた時間を約3分超過したため、冒頭で謝罪しました。その時間は約1分でした。

その後、議長から注意を受けています。

◯堀井 勝議員 私は、産学公連携フォーラムはどんな取り組みが行われているのかなとわくわくしながら欠かすことなく出席させていただいて、勉強させていただいております。…(略)…私が今手にしているこの喉あめを市長にお見せしますけれども。(資料を渡す)この喉あめはS大学薬学部と岐阜市内の1企業との連携によってつくられているものと思います。…(略)…

(略)

◯大塚光央議長 堀井議員に申し上げます。

資料を手渡す場合は、その場で議長に許可が必要となりますので、次回から注意をお願いいたします。

平成28年9月定例月議会(2016年9月20日)

現在10期目の堀井議員です。人には偉そうに「ルールを守れ」と言っておきながら[1]、自分はルールを守らない。堀井議員の言葉をそのまま借りれば、堀井議員は人間ではないということでしょうか?

[1] 堀井議員は平成27年9月定例月議会の内容を伝えた記事で既報の通り、法改正に伴って職員や議員、消防団員の公務災害の補償についての条例を改正する議案の内容が議決の当日の朝に配られたことに腹を立て、「全ての人間は生きる上で、ルールを最も大事にして」と発言していました。

大地議員

時期などは未定ですが、マイナンバーカードの受け取りが便利になる予定です。大地議員の質問に答弁しています。

◯市民安全部長 現在、マイナンバーカードにつきましては、市民の皆さんに直接、国にマイナンバーカードの申請をしてもらい、カードの受け取り時に市役所に来庁していただく、交付時来庁方式を本市では採用しております。

しかし、この間、申請の方法等について問い合わせが多いことから、今後は、この方式に加えまして、市役所の窓口で職員が市民の皆さんに説明をしながら申請を受け付け、後日カードを本人に本人限定受取郵便で送る申請時来庁方式も取り入れる予定でございます。…(略)…

平成28年9月定例月議会(2016年9月21日)
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