平成29年9月定例月議会 一般質問

中学校給食

質問をしたのは以下、3人の議員でした。

中学校の選択制喫食を全員喫食へ移行させる議論においては、給食を食べる生徒、給食費を支払う保護者、新たな仕事(給食指導)を増やされる教師の当事者らの考えを大切にしてもらいたい。

木村議員

具体的な実施手法は、今後の話になっています。枚方市内に民間調理場がなければ、お話になりません。入札しても参加事業者がいなければ競争性を失い、生徒が間接的に様々な影響を受けるでしょう。

◯木村亮太議員 …(略)…次に中学校給食についてお伺いします。

先の文教委員協議会において、中学校給食の全員喫食に関連して民間調理事業者の状況調査結果の報告がありました。私自身、全員喫食を否定する立場ではありません。しかしながら委員協議会の資料の結論として、民間調理場を市内で民間事業者が新たに整備し、ウォームカートを用いて65度以上で配送するC方式を前提として、検討を行い方針を決定しますというふうにありました。腑に落ちない部分がありましたので、このことに関して何点か質問していきたいと思いますまず。

まず、民間調理場で調理後、冷蔵状態で配送し、各中学校で再加熱するA方式について、1社で、いま6000食提供しているので、残りの6000食の調理が困難であるため、この方式は却下がされておりましたが、1社で困難であれば、複数社に分割して委託することも可能だと思いますが、市の見解をお伺いします。…(略)…

◯管理部長 次に4.中学校給食についてお答えいたします。A方式につきましては、8社から参入意向が示されましたが、いずれも市外に所在しており、配送に要する時間を考慮すると、学校給食衛生管理基準に定める調理後2時間以内の給食の確保が困難と考えております。

◯木村亮太議員 …(略)…次に中学校給食について再質問して参ります。

市内に民間調理場を誘致し、保温カートで配送するC方式についてですが、現在、市内に民間調理場がないなかで、民間調理場を誘致し、中学校給食を実施した場合、一定の要件をクリアできる事業者が1社しかなく競争性が確保できなくなり、また2回目以降の契約についても、このような条件ですので同じ事業者になることがかなり高い確率で想定がされますが、そのようになっても契約手続き上の問題はないのか市の見解を伺います。

◯管理部長 先の文教委員協議会では、中学校給食の全員喫食での実施可能性を把握するため、民間調理場の状況を調査し、その結果をご報告したものでございます。今後、契約の手続き上の課題も含めまして、様々な課題について整理、検討を行って参ります

◯木村亮太議員 第一学校給食調理場は現在、小学校の食缶方式4000食と中学校のランチボックス方式6000食の食数規模となっておりますが、個人的には小学校も中学校も食缶方式にしての全員喫食が望ましいと考えております。そこで、第一学校給食調理場を仮に12000食の食缶方式に、中学校の全員喫食の12000食の食缶方式に改修するという方法もあるのではないかと考えております。今後、これらに要する費用や工期を精査して検討していただきたいと思いますが、市の見解を伺います。

◯管理部長 中学校給食の実施手法につきましては、これまでからいただいた様々なご意見も踏まえ、検討してまいります。今後、中学校給食の全員喫食の具体的な手法につきましては、議員お示しのも含め検討を進めて参ります。

◯木村亮太議員 全員喫食の実施にあたりまして、民間活用のA方式、B方式、C方式や共同調理場方式などについて、保護者や生徒や教職員等を対象とするアンケート調査等を今後、実施する考えなのかお伺いいたします。

◯管理部長 全員喫食の実施について、今後さらなる検討進める中で、保護者等のご意見等もお聞きしていく必要があると考えております。

◯木村亮太議員 今後、整理すべき様々な課題があると思うんですが、精査を進めて全員喫食に関する方針を取りまとめていくにあたりまして、最終的にどの様な項目を優先させるべきだと考えているのか市の見解を伺います。

◯管理部長 全員喫食の実施にあたりましては、すべての生徒に同じ品質の給食を提供することを基本に、第一学校給食共同調理場の活用をはじめ、施設整備や運営に要する費用とその財源の確保、また実施までの所要期間などの課題について、検討を進めていくことが重要と考えております。

◯木村亮太議員 新行政改革実施プランでは約51億の改革効果ってのが目標に掲げられておりまして、このように全員喫食をやっていくにあたっては、財源の確保っていうのも必要になっていくのではないかと考えておりますが、全員喫食実施にあたりまして、財源の裏付けはあるのかお伺いします。

◯管理部長 中学校給食の全員喫食に係る事業費については、まだ算出できていない状況であり、その財源確保につきましては今後の大きな課題であると認識しております。

◯木村亮太議員 さっきの文教委員協議会にあたりまして、いろんな意見も出ておりましたので、全員喫食の実施にあたっては整理すべき様々な課題についてさらなる精査を行うという説明がありました。委員の方からも拙速に方針を示すのではなく、じっくり検討してはどうかというような意見もありました。そして今の質問におきましても、まだまだと課題整理をしないといけない部分が多いのではないかと思います。さらなる精査を行うにあたりまして、中学校給食の方針を示す時期についても精査を行う考えなのかお伺いします。

◯管理部長 全員喫食の実施に向けた様々な課題につきまして、今年度中に一定の考えをお示しできるよう、引き続き課題整理、検討を進めて参ります

◯木村亮太議員 この中学校給食についてはC方式ありきで考えるべきではないと思いますし、もう少しその検討についても、まだ課題があることを考えても良いのではないかとも思います。スピード感ももちろん大事ではあるのですが。またこの中学校給食の話ではあるんですが、中学校給食だけで捉えるのではなくて、小学校給食も含めて給食全体でどうあるべきかっていうのを考えていていただきたいと要望して終わります。…(略)…

平成29年9月定例月議会(2017年9月15日)

松岡議員

主には人的資源を増やす要望でした。可能な学校は自校方式で実施すべきとする松岡議員と、すべての中学校を同じ条件に統一したいとする市で、意見が分かれました。しかし、公立学校は公平性を大切にするのは基本中の基本です。

◯松岡ちひろ議員 …(略)…2.中学校給食について。

中学校給食の全員喫食に向けた方針が今年度にまとめられるということです。党議員団では、導入時から全員喫食の実施を求めてきましたが、枚方市は様々な理由で選択制を進めてきました。学校給食には食育が求められていますが、現状、しっかり役割を果たせているのでしょうか。これまで中学校給食では2名だった栄養教諭は、今年度から1名追加配置され、食育指導を行っていただいているようです。ただし食育指導は配属校の1校のみとなっています。

そこで、お尋ねしたいのですが、文科省が作成した食に関する指導の手引きには、食に関する指導は給食の時間、特別活動、関連する各教科などにおいて、一部の教職員だけではなく、共通の目標のもとで、校長のリーダーシップのもとに学級担任、教科担任、栄養教諭、養護教諭、調理員など全教職員が取り組むことが必要と記述がされています。現在、中学校給食はセンター調理場で調理委託で実施されていますが、委託事業者である調理員の方とはどういった取り組みが実施されているのかお尋ねをいたします。…(略)…

◯管理部長 次に2.中学校給食についてお答えします。

食に関する指導につきましては、各学校において食に関する指導計画を作成し、それぞれに取り組んでいるところです。調理員につきましては、調理業務の委託、直営の別にかかわらず、配膳時の立会いや調理場見学の受け入れなど各学校の状況に応じて取り組んでおります。

◯松岡ちひろ議員 …(略)…中学校給食の問題についてです。

調理員の取り組みは各学校が行っていると言うことですが、お話を聞きすると、中学校給食では連携状況については具体的なお話がありませんでした。以前に、現場で働く方からお聞きしたことがあるのですが、小学校給食では調理員さんが調理室から出て子ども達の給食風景などを見ていただいたりもしているようです。そもそも、わずか3名の栄養教諭では、指導の手引きにあるような全教職員で取り組むということはとても困難です。職員の皆さんは多忙な中、取り組んでいただいておりますが、市民の方からは給食と言う感じではなく、お弁当が来ているだけだ、そんな厳しい意見も聞かれています。

ところで、中学校給食実施をしてきて見えてきた子供たちの食に関する課題はどういったものなのでしょうか。またその課題を解消するためにどんな取り組みを行っているのかお尋ねをいたします。

◯管理部長 本市の中学校給食は、成長期に必要な栄養素をバランス良く摂取できるよう、献立作成や調理工程の工夫を行うなど、時代を担う子どもたちの健やかな成長と学びを支えることを目的に取り組んでおります。子ども達が食べ物の大切さを実感するとともに、より多くの子どもたちに中学校給食が給食が届くよう、より一層充実した取り組みを進める必要があると考えております。

◯松岡ちひろ議員 給食を実施をしてきてどうだったのかということをお聞きをしましたが、中学校給食スタート時の目的のお話となりました。今後、全員喫食に向けた方針を作成するにあたって、現状、何が問題だったのかなど、課題認識がないままでは実際に合った方針は作ることができません。枚方市がモデルとした亀山市では中学校給食実施後にアンケートを行っていますが、小学校と同様の食缶方式とデリバリーお弁当選択制方式の2つの方式で実施がされている給食に関して、結果は給食の味の面でも、給食方式の面でも食缶、全員喫食の満足度が高くなっております。では、どういった全員喫食の方式が良いのかと言うことですが、平成23年に教育委員会は中学校給食単独調理場の可能性を調査をされています。その資料ではさだ中と桜丘中が可能だとされております。また、少子化が進む中で小学校との親子方式が可能な調理場もあるのではないでしょうか。

午前中、木村議員の質疑では全員喫食も検討、食缶方式の検討に進めていくとされておりました。全員喫食実施はまず可能な所から自校方式や親子方式を実施することが合理的ではないかと思いますが市の見解をお尋ねをいたします。

◯管理部長 中学校給食の全員喫食につきましては、より効果的、効率的な整備を進める観点から第一学校給食共同調理場の食数規模6000食はこのまま活用すること、残り6000食についても、すべての生徒に第一学校給食共同調理場と同様に、温かい給食が提供できることを踏まえて検討を行って参りました。実施手法等につきましては今後、課題整理を進め、考え方をまとめていきたいと考えております。

◯松岡ちひろ議員 これも先ほどの午前中の木村議員の質疑の中で出されておった答弁なんですけれども、保護者の意見を聞くことも考えられるといったことも言われておりました。他市では、保護者も含む検討委員会を設けて、オープンな場で検討を進めています。検討委員会の設置や全員喫食の実施方法には、自校式、親子方式も検討に加えることを要望いたします。

最後に、教育長に確認をしておきたいのですが、枚方市の中学校給食は、今後も単なる配達お弁当の提供ではなく、教育の一環、教育の充実として取り組むという考えでよろしいでしょうか。

◯奈良渉教育長 本市の中学校給食は、時代を担う子どもたちの健やかな成長と学びを支えることを目的とするものでございます。従いまして引き続きより一層、充実向けて取り組んで参ります。

◯松岡ちひろ議員 今後も教育の一環として、中学校給食が取り組まれるということのようです。現在、中学校給食を民間調理場で実施することも検討をされていますが、惣菜店の惣菜を食べて先週、3歳の幼児がO157で亡くなりました。1週間以上が経っても感染源が特定できないままです。民間調理場では、枚方市の中学校給食だけではなく、当然、一般のお弁当調理を同じ場所でされる可能性もあるわけです。安心、安全が求められる給食は民間調理場はなじまないということを申し上げ、次の質問に移ります。…(略)…

平成29年9月定例月議会(2017年9月15日)

現場から、新たな仕事(給食指導)を増やされることへの不満、生徒に給食を勧めることへの異論さえ出ているのに、そういう声を無視してグイグイと食育を推進させる要望をするのはいただけない。

それに、食の安全や安心を大切にしてもらう要望に適した他市事例は、群馬県前橋市と埼玉県熊谷市などに出店していた株式会社フレッシュコーポレーションの「でりしゃす」ではないでしょう。神奈川県大磯町の中学校給食がおいしくないと、食べ残す生徒が続出したケースを提示すべきではなかったのかと考えます。インターネットには、事情通と思わしき人物が学校給食の懸念される点について解説[1][2]しています。

教育の一環として安全、安心でおいしい給食を中学生に食べさせるための第一歩は、身分保証される人を増やすことではありません。中学生に食べさせるに価した食事を確実に出せるようにさせることが、議員の仕事ではないでしょうか。

[1] 元給食営業マンが話題の「マズい」学校給食を考察してみた。,フミコフミオ(2017年9月17日)

[2] 【続】元給食営業マンが話題の「マズい」学校給食を考察してみた。,フミコフミオ(2017年9月20日)

漆原議員

喫食率の推移を見ていても、生徒や保護者は中学校給食の必要性を感じていないように思います。喫食率が他の地域より低調な地域を選挙地盤とする漆原議員にも、そのような意見が寄せられているようです。もし現場の教師が「プレッシャーを感じる」と声を上げれば、それは教育委員会の中学校給食を実施する方針や全員喫食に移行させる方針への反対表明になるでしょう。

◯漆原周義議員 …(略)…2点目は中学校給食についてです。

公約では全員喫食を実施するとのことですが、保護者や生徒たちは全員喫食を望んでいるのか、確認する観点から質問します。教育委員会から毎月いただいている中学校給食の学校別の資料では、喫食率の高い学校から低い学校まで様々であります。選択制の給食なのですから、喫食率が低い学校は保護者が弁当を作ってくれている生徒が多いということであり、喫食率が高いから良い、低いから良くないということでは決してないと考えております。弁当持参率の高い学校では、なぜ弁当が選ばれているのか、その理由を把握されてるのでしょうか。

先日、地元の中学校のPTAの皆さんから多くのご意見を頂きました。弁当にしているには様々な要因があるようです。例えば、ご飯の量については女子には多すぎる、逆に男子には少なすぎる。また予約の予約の手続きが非常に煩雑でやりづらい、子供が牛乳をあまり飲みたがらないなど多くの意見があがってきました。このように学校給食に対する様々な意見や評価があるなかでは、喫食率の向上よりもまずはしっかりと課題を整理し、改善に向けての取り組みが先決ではないでしょうか。

なかでも、学校別の喫食率の公表は喫食率の向上という数字だけを追ってしまえば、その数字が独り歩きし、学校の序列化につながるのではないかとさえ懸念するところもあります。そういった観点から学校別の公表というのは何か意味があるのかどうか甚だ疑問に思いますので、この際止めてはどうかというふうに考えますが、市の見解を伺います。…(略)…

◯管理部長 2.市長公約について(2)中学校給食についてお答えいたします。

学校別の喫食率の資料につきましては、議員の皆様と中学校長にのみ配布しているもので、一般には公表しておりません。また、この資料は学校の序列化や学校間の競争を煽ることを意図するものではなく、教育委員会として中学校給食の充実を図るための状況把握を目的として作成しているものでございます。…(略)…

◯漆原周義議員 …(略)…それでは続きまして市長公約の2つ目の中学校給食について再度質問をさせていただきます。

学校別の喫食率の資料は、学校の序列化や学校間の競争を煽ることを意図するものではないという答弁をいただきましたけれども、学校現場からはこの資料がプレッシャーに感じるという、そういうふうに思われている先生方もいらっしゃるんではないでしょうか。あくまでも数字だけの話なんですけれども、それよりも喫食率という数字の向上だけにこだわるよりも、その給食の良さを生徒や保護者にまず知ってもらうということが先決だというふうに思います。

市制施行70周年記念事業では、中学校 みんなで和食給食の日事業を実施し、全中学生を対象に和食給食を提供するとお聞きしました。この様な取り組みは、今まで中学校給食を食べたことのない生徒にも給食に慣れ親しんでもらう絶好の機会だというふうにも思います。保護者からもこのような取り組みを継続して欲しいという、こういった声も聞こえてきます。70周年記念事業の一つの事業という一過性のものではなくて、継続して各学校に協力していただき、1年に数回、給食の日を設定し、みんなで給食を食べるという、こういった事業を行うべきであり、こういった今回の様な事業を継続してね、定期的に行うべきではないのか、いうふうに思いますし、私はそうあるべきだと提言をさせて頂きたいんですが、市の見解をお伺いしたいと思います。

◯管理部長 市制施行70周年記念事業の中学校 みんなで和食給食の日事業につきましては、この取り組みを通じてより多くの子供たちが中学校給食に親しみを感じるとともに、ユネスコ文化遺産に登録された和食の素晴らしさや食べ物の大切さを実感する機会を創出することを目的に実施するものでございます。議員のお示しの通り、継続して定期的に実施することを通じて、さらにより多くの子供たちが中学校給食に親しみを感じるものと考えております。今後、今回の実績を踏まえ、継続実施に向けて検討を進めてまいります。

◯漆原周義議員 今後は保護者の方々やまた生徒さんの意見を聞いて継続実施に向けて取り組まれるよう要望しときます。

平成29年9月定例月議会(2017年9月15日)

じっと喫食率の値を見守るのではなく、宣伝用DVDを製作するより、教育委員会は現場と議論し、教師らを納得させ、生徒や保護者の意向を掴まなければ進展しないでしょう。


* 会議録が公開されていないため、発言内容は筆者による文字起こしによるものです。過不足や聞き間違いなどを含む場合があります。

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