熱中症で多数の生徒が救急搬送

また全国ニュースに

長尾中学校の体育祭で多数の生徒が熱中症を訴え、救急搬送されました。枚方市立の学校では、硫化水素を発生させる理科実験で気分が悪くなって搬送された事案が2回、歌の練習中に体調を悪くして倒れた児童を見て多数の児童が過呼吸になった事案に続き、今回もマスメディアが全国ニュースとして取り扱いました。(児童・生徒に落ち度はありませんが)枚方市民として恥ずかしい思いをしています。

不十分な予防

水分補給を呼びかける放送はあったようです。しかし、多数の生徒が熱中症のような症状を訴えたタイミングは体育祭終了後で、中には終礼時に体調不良を訴える生徒もいたり、けいれんする生徒を見たなど、熱中症対策としては形式的なものだったのではないでしょうか。体育祭が生徒達にとって残念な思い出になったことでしょう。

午前中に体調不良を訴えていた生徒がいて、回復した後は体育祭に参加していたという話もあって、生徒が最初に熱中症になったタイミングは体育祭の終了直後ではなく、午前中であった可能性もあります。

このほか、大橋議員が教育委員会から提供を受けた情報をブログに投稿しました。

母校の長尾中学校で、子どもたちが。

僕たちのもとにも、教育委員会からの情報が入ってきました。

16日枚方市立長尾中学校において、午前9時から開始された体育祭終了後、18名の生徒が体調不良を訴え、校長が救急搬送を要請した、ということでした。

18時20分現在、複数の生徒が近隣の病院に搬送されました。

4名は帰宅しましたとのことです。

教育委員会も、学校からの一報を受け、学校に2名の指導主事を派遣し、対応に当たっているとのこと。

今回は、子どもたちの前に、大人が倒れていた、との話も出てきています。

母校で。|大橋ともひろオフィシャルブログ「ちっちゃいけど大橋!」(2017年6月17日)

文章から「大人」が誰なのか(教師、保護者、来賓など)はわかりませんが、この時期に大人が熱中症になっても不思議ではありません。

木村議員が市から報告を受けた内容をブログに投稿しています。

14人が緊急搬送され、4人は16日に帰宅しています。

緊急搬送された14人のうち13人は病状が回復し夕方には帰宅しており、1人は念のために関西医科大学附属病院に観察入院となり17日には退院しています。

また新たに2年生女子1人が16日帰宅後に気分が悪いと訴え、病院で処置を受けましたが当日帰宅しています。

19日(月)の朝に全校生徒集会をしていると伺っております。19日には1人念のため休んでいるものの残りの生徒は通学しているとのことです。

20日(火)の午後7時より保護者集会を開催する予定です。

長尾中学校の熱中症の件|枚方市議会議員 木村亮太オフィシャルブログ「未来に責任」(2017年6月20日)

ここまでの情報を整理すると、熱中症のような症状を訴えた生徒は19人でした。

実施時期と実施そのものへの疑問

体が暑さに慣れていない時期は熱中症になりやすいので、春から夏へ移行する時期は、暑さに慣れている真夏より気温が低くても熱中症にかかりやすく、季節が春から夏へ以降する梅雨の時期は身体の不調を起こしやすいので、体育祭の実施時期としては不適切です。そんなことくらい、教師たちは百も承知でしょう。

もちろん梅雨の時期に体育祭を行っているのはスケジュールの都合だろうと思いますが、教師たちは生徒の生命に危険を及ぼそうとも、スケジュールのためならやむを得ないと考えているわけです。そこまでして、体育祭を決行しなければならない行事なのでしょうか。

意地と命がけの実態

では、実態はどうなっているのでしょうか。枚方市立の小学校と中学校について、今年の運動会と体育祭の実施日を調べてみました。各学校のホームページを参照してまとめました。2017(平成29)年度の実施予定、実績の判明しない学校のみ、前年度までの実施月を調べています。

実は、長尾中学校で多数の生徒が熱中症で搬送された同じ日に、蹉跎中学校でも体育祭が実施されていました。

2017年の近畿地方の梅雨入りは6月7日ごろ、平年の梅雨明けは7月21日ごろであることを参考にすると、中学校では不明の2校1校、5月実施の1校、9月実施の1校以外は、梅雨の時期に実施されました。中には、雨天の影響で2日に分けて実施した学校も確認できました。梅雨の時期だから雨が降って当然なのですが、意地でも実施しなければならないものでしょうか。理解に苦しみます。一方、小学校では不明の学校が多いですが、梅雨の時期に実施している学校を確認できました。

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