小さなニュース 第24回

総務常任委員長が所管の審査に場外でコメント

岩本議員は総務常任委員会の委員長で、総務委員協議会においても委員長の職務を行います。

2017年5月29日に開催された総務委員協議会で、「枚方市駅周辺再整備及び新庁舎整備の状況について」が議論されていました。協議会終了後、岩本議員はブログで、国・大阪府・枚方市の合同庁舎を⑤街区に設置する方向で話を進めているところ、大阪府が③街区へ庁舎を設置するという可能性に言及したことについて、「違和感がある」とコメントしました。

(略)

今回は9件が協議されました。12時半近くまでの協議会となりました。…(略)…

中でも、(1)の枚方市駅周辺再整備と新庁舎整備の案件については、ほとんどの委員が発言。

これまで、枚方市の新庁舎は現府民センターから税務署や検察付近までの一帯エリア(いわゆる第5街区)に国・府・市の合同庁舎を目指す前提でしたが、今回の新庁舎の場所の検討についての状況報告の中で、大阪府が府民センターの移転を市駅直結エリア(いわゆる第3街区)を視野に入れる、という部分がありました。もちろん決定ではありませんが。この部分について委員の大半から、一言でいうと『どないなっとんねん』というような意見・質疑があり、私も委員長としては発言していませんが、これまでの状況から一転する内容に、違和感を覚えるところがありました

市駅前を活性化していかないといけない、これは殆どの方が認識されていることと思いますが、これまで様々な事情で進んでこなかった。他市と比較して少し古びている、この遅れを取り返す意味でも、スピードを上げていく必要があると思い質疑でも取り上げてきたところです。が、ここにきて風向きが変わってきている。

市駅前については様々な視点があり利害関係者も多数おられる中で、何をやっても100点はないと思うので、何かのタイミングでトップが決めて、ある意味で突っ込んでいく覚悟が必要(時すでに遅し、過去形かもしれませんが)なのかなと思う次第です。

少し話が長くなりました。他の案件についても、市民生活に直結(より関心をもってもらえる部分)もあるかと思いますので、どこかのタイミングで(全てとは言わないまでも)ご紹介できればとは思います。

(略)
6月議会に向けての委員協議会。1日目の総務委員協議会で初の役割。市駅周辺再整備に方向転換の兆し,岩本ゆうすけ(2017年5月30日)

本会議や委員会、協議会で議長や委員長の発言を制限する規定は明文化されていませんが、委員長として協議会で発言しないことにしているにもかかわらず、所管審査の内容について委員会、協議会の外でコメントするのはいかがなものでしょう。

廃校後の前例が作られていく

市民交流センター(住所:大阪府枚方市牧野北町11−1)は2000(平成12)年3月に「北牧野小学校」が廃校になった後、2007(平成19)年5月1日からという施設として運営されています。

市は、和室と調理室の利用率が他の部屋より低いとして、市民交流センターを廃止し、牧野生涯学習市民センターの分館として設置し、予約をインターネットでできるようにすることと、指定管理者制度への導入を目指しています。このことについて、市は2017(平成29)年6月3日に市民説明会を開催していました。

表.2016(平成28)年度の市民交流センターの利用状況
定員(人)利用件数(件)利用者数(人)利用率(%)
集会室2501003298075.64
会議室30723760273.93
和室20360241336.81
調理室15455994.60

市民交流センター設置から10年の節目が契機になっています。

廃校になった小学校をどうするか

人口が減少していく様子を見守るしかない枚方市にとって、今後も小学校が閉校していくことは避けられない状況にあります。また「公共施設マネジメント推進」の考え方からも、廃校の建物や跡地をどのように扱うかの検討は避けて通れません。

「北牧野小学校」は地域住民の要望に応え、交流の場として運営されてきました。残念ながら、財政的な観点から今後も継続して運営するには厳しい現実を突きつけられています。小学校が閉校する度に、同じことを繰り返すのは想像に難くありません。

廃校になった小学校をうまく活用できている他市事例はありますが、ベッドタウンとして成長した枚方市には真似できないでしょう。土地を売却してコインパーキングに変わるしかなさそうに思います。

図書館の分室廃止に多数の反対意見

市は、2017(平成29)年3月1日〜31日まで「枚方市立図書館分室等の見直しに関する基本的な考え方」の案を示し、アンケートを実施していました。提出された171件のうち、教育委員会は関係のない内容と判断した3件を除いて、168件の意見を受け取り、公表しました。

廃止の方向性について、利用者が少ないことや施設の経年劣化を理解する意見は一部にありましたが、ほぼ全てが反対意見でした。数少ない利用者の存続を希望する声が寄せられていると考えられます。市は、先に市民の意見は聞いたが、廃止する方針には変わりないとの決意を見せました。

遡ること50年以上前の1963(昭和38)年に社会教育会議が「社会教育の主体は市民」と宣言し、「枚方テーゼ[1]」として全国的に注目されました。当時の人口は10万4935人、2万6633世帯(いずれも10月1日現在)の一世帯あたり人員が3.94という時代でした。比較のために調べると、2017(平成29)年5月31日現在の人口は40万4209人、17万8331世帯の一世帯あたり人員が2.27に至ります。

このように枚方市民の社会的な構成が大きく変わり、市民の多くが市内各所に図書館の存在するありがたみを認識せず、主体が主体と自覚されなくなった結果が分館の廃止ではないでしょうか。これまで力を入れて運営されてきた図書館は他市並みに縮小されていくでしょう。今後、市は枚方テーゼと決別した新たな枚方市を受け入れるか、枚方市を去るかという厳しい選択を市民に求めていくものとみられます。

[1] 「テーゼ(these)」はドイツ語。

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